鈴木まもる 絵本の部屋

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「はしれディーゼルきかんしゃデーデ」


「はしれディーゼルきかんしゃデーデ」

すとうあさえ・文
鈴木まもる・絵
童心社 40p 1400円+税
2013年11月

まよなかに新潟をしゅっぱつした
ディーゼルきかんしゃのデーデたち。
あめが ゆきに かわって、どんどん ふりつけてきます。
ぶじに福島の郡山にたどりつけるでしょうか……。
(カバーそでより)

2011年3月、東日本大震災の被災地に燃料を運んだ
ディーゼル機関車たちの活躍を描く。

 

とびら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裏表紙

 

<制作ノート>

東日本大震災の後、道路も電車も不通となり、
東北地方の被災地にガソリンの供給ができなくなりました。
そこでJRは、電車が走ることができる新潟から郡山のルート(磐越西線)を使い
ガソリンを運ぶことにしました。
 
でも、この路線は一部山間地は電化されていないところがあり、
普通の電車では走ることができません。
 
そこで電化されていないところでも走れるディーゼル機関車を
使うことにしたのですが、新潟にはないので、九州や関西など全国にある、
今はもうあまり使われていないディーゼル機関車を新潟に集め
走らせることにしたのです。
 
しばらく走っていなかったディーゼル機関車もあり、
整備士さんたちが細部まで点検整備し、
線路も地震の被害がなく走れるか、歩いて検査したそうです。
 
早くたくさんのガソリンを運ぶ必要があり、10両のタンク車を連結。
とても重いのでディーゼル機関車も2台つないで重連という形での出発となりました。
 
傾斜の厳しい磐越西線、それに寒さのため凍っていたり、
線路の錆びで、さすがのディーゼルでも登りきることができず、
3台目のディーゼルを応援に呼び連結して、なんとか山を越え、
郡山に着くことができたそうです。
 
それから毎日、新潟と郡山の間をディーゼル機関車は、
10両のタンク車を引き被災地にガソリンを運んだのでした。
(ガソリンは横浜の根岸から新潟へ毎日20両のタンク車で運んだそうです)
 
という現実にあったお話の絵本化です。
 
文章を書かれたのは、すとう あさえさんという童話作家の方です。
 
お話をいただいた時には、もうすでに復旧していて、
現実に新潟、郡山間を走っているところは取材できませんでしたが、
ニュース映像など資料はたくさんあったり、
別のところで、ディーゼル機関車を見たりしました。
 
ディーゼル機関車を、しっかり描くのはもちろんですが、
それだけでなく、というか、それ以上に、
それに関わった人たちの気持ちをしっかり描きたかったので、
黒ペン(ロットリング)と水彩、色鉛筆の併用となりました。
 
最初、機関車の擬人化について、すとうさんと、いろいろお話し、
”鉄人28号と正太郎君”の関係ということで、擬人化の方向性が決まりました。
 
結局、人の暮らしがあって、そこに必要ないろいろな電車や機械があるということで、
それは「でんしゃがきた」(偕成社)も「せんろはつづく」(金の星社)も同じだと思います。

(2013.11.24記)

 

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はしれ ディーゼルきかんしゃデーデ
(絵本・こどものひろば)
すとうあさえ文 鈴木まもる絵
童心社 2013年